部下のモチベーションを引き出す秘訣とは?コーチングや制度の成功事例も – コーチング道場(COACHING DOJO)

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2021.03.28

コーチングをマネジメントに活かす

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COACHING DOJO編集部
2021.03.28 / 21 min read

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この記事の監修者
濱崎 翔吾(銀座コーチングスクール認定コーチ)

               

東京大学経済学部経営学科。心理学や心理療法、チームビルディングなどについて学ぶ。スタートアップ数社でのインターン経験、Youtubeでの情報発信経験を経て、ステラー株式会社にジョイン。現在はコーチングを通して多くのクライアントの目標達成を支援している。

コーチングの真価をわかりやすく伝え、みなさんのコーチングとの”出会いの場”を創出いたします。

「もっと部下にやる気になってほしい」「部下のモチベーションを高めてプロジェクトを成功させたい」と思う上司の方も少なくないのでは。 できることなら部下が活き活きと、自発的に働いてほしいと思いますよね。

そこで今回は、部下を持つ上司としての経験談を交えつつ、部下のモチベーションを引き出し維持する具体的な方法をご紹介します。マネジメントでのコーチングの活かし方や、制度設計の工夫でモチベーション向上に成功した事例もご紹介しますので、あなたの会社やチームに最適な施策が見つけられるはず。

部下のモチベーションを存分に引き出し、仕事を成功に導きましょう!

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部下のモチベーションが下がってしまう原因

部下のモチベーションが下がってしまう理由は、社内での評価が適切ではなかったり、人間関係が悪くなってしまっていたりと様々です。まず最初に、部下のモチベーションを下げてしまう理由を探っていきましょう。

上司に正当に評価されていないと感じる

モチベーションを下げてしまう大きな理由として考えられるのは、「評価の在り方」です。

部下の業績達成率や数字による定量的な評価は当然重要ですが、数字評価以外の定性的評価も重要です。短期的な数値目標だけに固執せずに、部下の日々の仕事への取組み方や、取り組みの過程にも目を向けることが大切です。

また、部下が期待していた評価より、上司や他者からの評価が低いときに不快に感じる部下は少なくありません。その場合は、評価が低い理由をきちんと伝え、評価が上がるようにするための次の行動まで一緒に具現化してあげることが大切です。

社内の人間関係が悪い

評価や成績が良い社員でも、社内の人間関係が悪く、モチベーションが下がる部下も多いです。実際に、エンジャパンの調査では、「社内の人間関係が原因で転職のきっかけになったことがある。」と結果が出ています。

上司と関係性が良くても、同僚や先輩・後輩との関係性が良くなく、仕事へのやる気喪失などに繋がっているケースは少なくないでしょう。また、仕事の悩みやプライべートの話も含めて気軽に相談ができる人が身近にいないと、職場環境を窮屈に感じて退職に繋がることも少なくありません。

仕事の意義がわからない

成績や結果を出せない人が、仕事の意義がわからなくなったりするかと思われますが、実績を残せる社員こそ悩んでいるかもしれません。

継続的に成績を残せる人はある一定の成果ラインに到達すると、成績や結果などでやりがいや意義を感じず、自分が働く意味や意義を考える傾向が強いのではないでしょうか。特に最近の20代・30代の社員は、社会とのつながりや他者への貢献を強く求める傾向が強く、「人生で本当に成し遂げたいことは何か?」「自分いにとっての仕事とは何か?」を考える傾向にあると言われています。

「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」

そもそも、モチベーションとは何を意味しているのでしょうか。

辞書で調べると「動機づけ」と解説されていますが、この動機づけは大きく2種類に分別することができるので、それぞれの意味ついて解説していきます。

外発的動機づけとは

外発的動機づけとは、報酬や評価・罰則や懲罰などのように、人為的な刺激や外部の働きかけによる動機付けとして考えられています。

外発的動機付けのメリットとしては、会社員であれば「ボーナスが欲しい」「減給されたくない」と言ったような分かり易く単純な動機なので、仕事に興味がない人ややりがいを感じない人のモチベーション向上に働きやすいです。「報酬が欲しい」「罰則をされたくない」などの動機づけはシンプルなので、多くの人のモチベーションの源泉になりやすく、短期的に効果が表れやすいと言われています。

反対に、外発的動機付けのデメリットとしては、「仕事の価値を高められない」「長期的なモチベーションになりにくい」「効果を継続できない」などがあります。誰にでも効果がでやすい汎用的な側面がある一方で、外部による受動的な要因になるので、継続させるのが難しいです。

内発的動機づけとは

一方の内発的動機づけとは、「行動の要因が、物事への強い関心・知的好奇心など、心の底や内面から湧き出てくるものによる動機づけ」として考えられています。内発的動機付けのメリットは、自分の内面から生まれる興味・関心や知的好奇心が源泉になるので、高い集中力が発揮されることです。みなさんも、興味ない仕事より興味がある仕事の方が、より集中できたと感じることはないでしょうか。行動すること自体が目的になり、衝動的な強い欲求で行動することになるので、行動の質も高くなり自発的に質の高い行動を起こすようになります。

「やれ!」と言われたときはやる気が出ず、「やりたい!」と思ったときはどんどんやる気が出てくるものです。外発的動機づけばかりでは、良いパフォーマンスができないのです。 

「やりたい!」という内発的動機づけが出てきたとき初めて、人は挑戦する覚悟が決まります☺️

— 中島 輝@自己肯定感の第一人者 (@nakashima_teru) March 23, 2021

内発的動機付けのデメリットは、内面から湧き出る強い好奇心などが仕事のモチベーションの源泉になるので、個人差が大きくなる傾向が強いことです。

自分のモチベーションを引き出す科学的な方法

これまではモチベーションの意味について説明してきましたが、実際のモチベーションの引き出し方についてみていきましょう。部下のモチベーションを引き出す前に、まずは自分のモチベーションを適切に引き出していきましょう。

ゴールを確認する

ゴールが明確ではない状態では、モチベーションを維持するのは難しいでしょう。したがって、「何を目指して何を達成するべきなのか」を明確にしてゴールを設定します。ゴールを明確にして設定することで、現状で不足している能力やスキルが明確になるので、取り組むべき内容が明確になります。

また、ゴールを設定して確認することは取り組んでいる内容の振り返りを行うことも求められるので、ゴールに対する行動の質が改善されていくでしょう。

その日の仕事の「最高のアウトプット」をイメージする

最高のアウトプットをイメージすることで、アウトプットに近づくための行動を取れるようになります。これには、コンフォートゾーンホメオスタシスという機能が関係しています。

ホメオスタシスとは、“恒常性(恒常性維持機能)”と訳されている医学用語で、神経やホルモンによって、体温や血液などの性状を一定に維持しようとする機能です。

コンフォートゾーンとは、快適な空間を意味します。人間は快適な空間に留まり続けようとし、快適な空間に向かっていくことを意味します。

コーチング学では、コンフォートゾーンの外側に目標やアウトプットのイメージを置くことは、「ゴール設定」と呼ばれています。

アウトプットのイメージをコンフォートゾーンの外側に置くことで、ゴールが外側に設定されるようになり、一つ一つの行動が変わるようになってきます。したがって、最高のアウトプットをイメージすることで、コンフォートゾーンの外側に意識が向けるようになります。

社内を散歩する

散歩をすることで脳が活性化されます。散歩による運動で酸素が脳内に多く運ばれ、血行が良くなることでセロトニンが多く分泌されます。

セロトニンには、ホルモンを安定させ精神を安定させる働きや、喜びややる気を生み出すドーパミンというホルモン物質を促す効果があります。散歩をしてセロトニンを多く分泌することで、やる気がない状態を抜け出し、モチベーションを引き出せるでしょう。

部下のモチベーションを維持する方法

それでは、部下のモチベーションを維持する方法を大きく4つに分けて紹介していきます。

目的・目標を明確にする

部下のモチベーションを維持する方法は、目的・目標を明確にし続けることです。目的とは「なぜその仕事を行うのか」、目標とは「どこを目指しているのか」と捉える事ができます。

仕事を進めていると、うまくいかない時には目的・目標が曖昧になったり、成長をしている時には目的・目標がどんどん前向きに変わっていきます。先ほども述べたコンフォートゾーンの外側の領域でゴールを常に設定することで、仕事の目的を見失くくなり、行動の質や量が変わってきます。部下が目的・目標を見失わないように、1on1ミーティングを行うこともおすすめです。

正しく叱る

問題が起こったときに、部下を叱る必要があると思いますが、正しく叱るということが大切です。正しく叱ることができれば、部下の方との関係性が崩れること無く、問題を指摘して次の行動に移すための改善ができるようになります。

また、叱る際に、叱るタイミングと叱る環境が非常に重要です。問題が発生した直後に叱ることが適切で、時間が経過してから叱ってしまうと、「自分のことが嫌いかもしれない」など、ネガティブな感情が混合してしまうことが懸念されます。

叱る環境については、周りのメンバーや他の上司の前で、叱ることはお勧めできません。回りのメンバーに見られることで、周囲に恥を晒してしまうので、部下のやる気を必要以上に喪失させてしまいます。同時に、他のメンバーも他人が叱られている姿を見てよい気分にはなれませんので、職場の雰囲気が必要以上に悪くなります。

したがって、叱る際には必ず人がいない会議室や、職場から離れたカフェなどで叱るのが良いでしょう。

正しくほめる

叱ることとは反対に、成果を出した時には「ほめる」ことも大切です。人は褒められると自己肯定感が上がり、モチベーションや意欲がさらに上がると言われています。

ここでは具体的なほめ方を4つ紹介していきます。

「褒める」と「注意する」のバランスを考える

褒めすぎると自分の行動や成果を過信しやすくなり、注意しすぎると自信喪失につながりやすくなるので、「ほめる」と「注意する」のバランスが必要です。注意しなければいけない状況が続く場合は、枕詞として小さな行動をほめた後で、注意するのが良いでしょう。

部下が問題を起こした場合でも、すぐに上司に報告をして最小限の労力の対応で済んだ場合には、対応が早かった点を最初にほめてあげましょう。そして、問題への注意はその後にしてあげる、などの対応が良いでしょう。

人を介してほめる

人を介してほめることで、ウィンザー効果という心理的アプローチが可能になります。

ウィンザー効果とは、第三者が発信する情報は、相手から直接言われるよりも信頼されやすくなるという心理的効果の一つを意味します。

ほめ言葉を言われることに慣れてしまうと、相手が目的をもってほめているのでは?など損得勘定が働いてしまうケースも在りうるので、他のメンバーに部下の凄い点や良い点などを、たまに伝えるのも良いでしょう。

皆の前でほめる

叱る時とは逆に、周りのメンバーの前でほめても良いでしょう。ただし、大げさに褒めすぎると馬鹿にされていると部下が感じる可能性もあるので、事実に対して適切にほめることが大切です。

プロセスをほめる

成果に至るまでの行動のプロセスや考え方などを可能な限り具体的にほめることで、「きちんと評価されている」という認識をもつようになり、行動の質がより改善されるようになります。成果や業績の数値だけほめていても、「なぜほめられているのか」という観点がないと、次の行動に向けて振り返りもできません。これではそれ以上の成果を継続的に出すことが難しくなります。

より良い成果を出す為には成果を出せた理由を明確にして、今後の仕事の成果がより良くなるようにしていきましょう。

定期的に話し合いの場を持つ

定期的に話し合いの場を設けて、フリートーク形式で対話しましょう。テーマを決めてしまうと、部下が話したいことを聞き出せなかったり、テーマに対するバイアスによって本音を引き出せないケースがあります。

定期的に部下の困っている事や、個別にじっくりと話を聞いてフィードバックすることで、部下のモチベーションを管理することができます。対話を通じたコミュニケーションを重ねることで、互いの関係性をより良くし、心理的な安全性を構築することにも繋がります。

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コーチングを活かして部下をやる気にさせる方法

ここまで、モチベーションを引き出す方法や維持する方法について解説してきました。この章では、コーチングを活用した下をやる気にさせる方法について解説していきます。

コーチングとは?

コーチングについて理解するには、ティーチングコンサルティングヒアリングコーチングの4つを区別すると理解が深まります。コーチングとは、質問や傾聴をしていく中で、相手の潜在的な思考や価値観を探り、内面的な答えを引き出すた手段になります。

内面的な自分自身の答えを引き出してあげることで、適切な目標を設定することができるようになります。ティーチングとは、目標を達成するために必要な知識や学習プロセスを相手に「教える」ことがメインになります。コーチングが目標を「引き出す」のに対して、ティーチングでは、目標達成に必要な知識などを「教える」ことがメインになります。

コンサルティングとは、相手の問題を引き出し、問題を解決するための具体策を掲示することがメインになります。問題を解決するために、何を、どのように行うべきかわからない人に提案を行います。

カウンセリングとは、相手の話を聞いて問題を引き出してあげることがメインになります。問題を引き出し相手の不安をやわらげることで、相手を安心させ落ち着かせることができます。

コーチングの意味についてさらに詳しく学びたい方は、「これだけ読めば分かる!コーチングの意味をメリット・種類・スキルから解説」の記事を参考にしてください。

以上の内容をふまえて、コーチングを使って部下をやる気にさせる方法について紹介していきます。

コーチングを使って部下をやる気にさせる方法

では、コーチングを使って部下をやる気にさせるにはどうしたらいいのでしょうか。コーチングは対話によって、内面的に秘めている思いや考えから目標を設定し、目標達成に向かって伴奏する役割を担うので、部下との対話をすることから始まります。

対話を行う際は、上司と部下の話す役割を2対8の割合で、部下に「話をさせる」ことが重要です。コーチングの重要な要素として「承認」がありますが、承認とは相手の存在を認めて受け止めることを指します。

相手の話を聞くことは相手に対する最大の承認になるので、部下に話をさせることで部下は「自分のことを認めてくれている」と感じやすくなり、自己肯定感が働くようになります。

部下の話を聞く際のテーマはどのような内容でも問題ないですが、話の聞き方には注意が必要です。例えば、「〇〇プロジェクトの進捗は最近どうだ?」のような特定事項に対する確認ではなく、「最近のプロジェクトはどんな時に楽しいと感じる?」などの様に、仕事に対する考え方や感情などを引き出していきましょう。

また、「どんなプロジェクトをやってみたい?」など、「これから」の未来の時間軸に対する考えなども聞くことも大切です。部下の仕事に対する質問ではなく、部下の人間性や仕事に対して、何をどのように感じているかなどを聞き出していきましょう。

モチベーションを高める制度設計の成功事例

従業員のモチベーションの管理・維持に頭を悩ませる会社は多いですが、従業員のモチベーションをうまく管理・維持する方法は様々です。最後のこの章では、従業員のモチベーションを管理・維持すルための具体的な事例を交えて紹介していきます。

カードで感謝の気持ちを伝える

カードで感謝の気持ちを伝える方法を活用しているのが、ザ・リッツ・カールトンです。

感謝の気持ちをカードに書いて伝え合う「ファーストクラス・カード」という制度を取り入れています。社員全員がカードを持っていて、感謝を伝えたい人にメッセージを書いて渡します。

この制度が、従業員同士の助け合いや上司と部下のコミュニケーションのきっかけになっています。

経営ビジョンを全社員で話し合う

経営ビジョンを全社員で話しあい、会社がこれからどこを目指していて、各社員が会社に求められている役割を明確にしやすくなります。会社の方向性や各社員の役割が明確な状態であれば、個人の目標設計も立てやすくなり、働く目的や意義などを見失うことも防げるでしょう。

組織全体で一斉に行うのは難しいので、各部門やチーム間で議論を繰り返し、社内で共有するのが現実的でしょう。

育自分休暇を設ける

育自分休暇とは、株式会社サイボウズが取り入れている制度です。

育自分休暇とは、35歳以下のエンジニアを対象にした制度。一度会社を退職した状態にして、退職してから6年間は復職が認められるという制度。

株式会社サイボウズ公式HPより内容要約

退職率の改善のために、従業員の定着率向上の施策として導入された制度になります。

この制度を活用して退職してから6年間は、転職・留学・休職などどのような活動をしていても、最終的に復職できる制度です。社員は6年という期間を活用して自分を育てることができます。

実際にこの制度を活用してから、一時期28%あった離職率が4%にも下がるほど改善が見られた成功事例となっています。

感謝を表彰する

最後に表彰制度です。表彰制度は全社的に取り組んでいる会社が多いです。表彰式の場を設けて、実績や成果に値する報酬金などのインセンティブや表彰状を設けて、従業員を大々的に評価する制度です。

表彰されることで、他人からの「承認」を実感することができ、自己肯定感が上がりやすくなります。そうすることで、今後の仕事もより前向きに励むようになります。

まとめ:部下のモチベーションを適切に管理し、仕事を成功に導こう

いかがでしたでしょうか。今回は部下のモチベーションの管理をする上で必要な考え方と具体的な実践方法について解説してきました。モチベーションが下がる理由は人それぞれですし、管理の仕方もそれぞれです。ですので個人に沿ったモチベーションの発見と継続的に維持することが重要です。

部下のモチベーションの管理を適切に行えるようになれば、組織のマネジメントなどにも効果的に活かせるのではないでしょうか。事業や企業の成長のためにも、部下や社員のモチベーションをうまく管理して、仕事の成果に直結するように導いていきましょう。

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