COACHING DOJO編集部
2021.04.14 / 22 min read
この記事の監修者
濱崎 翔吾(銀座コーチングスクール認定コーチ)
東京大学経済学部経営学科。心理学や心理療法、チームビルディングなどについて学ぶ。スタートアップ数社でのインターン経験、Youtubeでの情報発信経験を経て、ステラー株式会社にジョイン。現在はコーチングを通して多くのクライアントの目標達成を支援している。
コーチングの真価をわかりやすく伝え、みなさんのコーチングとの”出会いの場”を創出いたします。
初めてコーチングを受けてみたいと思っている方の中には、以下のような疑問を持たれている方もいるのではないでしょうか。
・どんなテーマで話すのか?
・こんなテーマでもいいのだろうか?
・テーマが思いつかない
・普通どんなテーマで話すことが多い?
・コーチングが始まって、効果を感じるまでの具体的な流れは?
コーチングのことがあまりイメージできず、ハードルを感じている方も多いと思います。
そこで今回は、コーチングで扱うテーマの決め方や具体例をご紹介します。認定コーチである筆者の立場から、コーチングの実際の進め方やコーチの探し方、受ける前に考えておくこともご紹介します。
本記事を読めば、きっと初めてのコーチングへの不安やハードルがなくなり、コーチングを受ける最初のステップが踏み出せますよ。
コーチと協力して、あなたの自己実現に本当に必要なテーマを選びましょう!
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その他コーチングに関するダイジェストも随時更新しております。
コーチングの意味についてさらに詳しく学びたい方は、「これだけ読めば分かる!コーチングの意味をメリット・種類・スキルから解説」の記事を参考にしてください。
コーチングには2つのテーマがある
コーチングのテーマの決め方についてご説明する前に、そもそもコーチングを受けるにあたっては2つのテーマがあることを理解しておきましょう。
コーチングの2つのテーマとは、「長期的に扱うテーマ」と「毎回のセッションで決めるテーマ」です。
長期的に扱うテーマ
「長期的に扱うテーマ」は、はじめに決める、コーチングの大きなテーマです。
一般的に、コーチングは数回から半年にわたり継続的に行われます。したがって初回のセッションや体験セッションで、長期的に達成したい目標を決めることが多いです。
セッションを継続的に受け続けた3ヶ月後から半年後に、どんな目標を達成していたいのか。今抱えているどんな課題を解決していたいのか。
最初に決めた「長期的に扱うテーマ」が継続的なセッションの大枠の方向性となり、基本的にはそのテーマを中心に1回1回のセッションが行われていきます。
毎回のセッションで決めるテーマ
「毎回のセッションで決めるテーマ」は、その名の通り、30~1時間の1回1回のセッションごとに決めるテーマです。
基本的には、「長期的に扱うテーマ」に関係したテーマが「毎回のセッションで決めるテーマ」になります。
例えば、経営者向けのコーチングで、最初に「新規事業のビジネスプランを作りたい」という長期的に扱うテーマを選んだとします。数ヶ月後に納得のいくビジネスプランを作ることを大目的として、コーチングをスタートするわけです。
基本的には、毎回のセッションのテーマも「ビジネスプランを作ること」に関連したものになります。例えば、「新規事業のビジョンを考える」「ターゲットを明確化する」といったテーマが考えられるでしょう。
しかし、毎回のセッションのテーマは、必ずしも「新規事業のビジネス」に関連していないといけないというわけではありません。他に気になっていることや課題に感じていることがあり、今の時点で重要なテーマだと思えるなら、そちらを選ぶべきだからです。例えば、「部下のモチベーションを高めるには」「家族との時間をもっと充実させるには」といったテーマが選ばれることも十分にありえます。
必ずしも事前にテーマを決める必要はない
初めてコーチングを受けようと思っている方の中には、「コーチングを受ける前に明確なテーマを考えておかないと…」のように不安に感じている方もいらっしゃると思います。
しかし、2つの理由から、コーチングのテーマを最初に決めておくことにプレッシャーを感じる必要はあまりないといえます。
1つ目の理由は、「コーチングの最中にテーマが変わることは多々ある」からです。長期的なテーマが変わることはあまりありませんが、1回のセッションの中で、話すテーマが変わるということはよくあります。
例えばその日のセッションが「仕事で昇進するには」というテーマで始まったにも関わらず、コーチと対話していくうちに、「自分が本当に求めているのは、家族から尊敬されること・愛されること」だったということに気づいたとします。こうした場合コーチは、「家族から尊敬されることがより重要なテーマに思えてきましたが、そちらをテーマに話していきませんか?」といった提案をすることがあります。その結果、「家族から尊敬されるには」というテーマで残りの時間のセッションが行われるということがあるのです。
このように、コーチングによって「気づき」が引き出されることで、テーマは途中で変わりうるのです。
「必ずしも事前にテーマを決める必要がない」2つ目の理由は、上記の例からもわかる通り、コーチの質問によってテーマが引き出されていくからです。
もし何もテーマが浮かんでいなくても、「今日は特に話すことが浮かんでいないんです」と伝えれば、コーチはそれに応じた質問を投げかけてテーマを引き出してくれるでしょう。極端な例でいえば「今日はただグチを聞いて欲しいんです」という伝え方をしても、コーチはあなたのグチを聞いてくれるでしょう。途中であなたの気持ちが落ち着けば、コーチはそこからあなたが話すべきテーマを引き出してくれるはずです。
したがって、「話すテーマを決めていなければならない」というわけではないのです。
コーチングのテーマの決め方
ここまで「コーチングで話すテーマを必ずしも決めている必要はない」とご説明してきましたが、セッション前にある程度話すテーマが決まっていた方がスムーズなことは確かです。
そこで次に、コーチングのテーマの決め方をご紹介したいと思います。
前提:どんなテーマでも構わない
まず前提として、コーチングのテーマはどのようなテーマでも構いません。
どのようなテーマでもよいので、「自分が今一番話したいと思っていること」をテーマにするのがおすすめです。話したいことならば、そのテーマはあなたの人生における重要な意味を含んでいる可能性が高いからです。
私もはじめは、「こんな些細なテーマでもいいのだろうか」という気持ちを感じていました。しかしコーチングのセッションを重ねるうちに、「どんなテーマでも、そこから予想もしていなかった気づきがある」と思えるようになりました。
今一番話したいと思っていることをテーマにすることで、「今回のセッションでは話したいことが話せなかった」というモヤモヤが残ってしまうという事態も避けられるので、おすすめです。
緊急ではないが重要なことを選ぶ
そうはいっても、コーチングを受けるからには、「効果を最大限に感じられるテーマを選びたい」という方もいらっしゃるでしょう。
もし「毎回のセッションで決めるテーマ」の決め方に王道があるとすれば、それは「緊急ではないが重要なことを選ぶ」という決め方でしょう。
みなさんは、「緊急度と重要度のマトリクス」という言葉をご存知でしょうか。
「緊急度と重要度のマトリクス」は、以下のようなマトリクスで、「7つの習慣」という有名な書籍の著者であるスティーブン・R・コヴィー氏が提唱した概念です。
(jooto より引用)
このマトリクスで考えることで、タスクを「緊急度」と「重要度」の高さで4つに分類することができ、「緊急ではないが重要なこと(B)」という後回しにされがちなタスクに着手しやすくなります。
「緊急ではないが重要なこと」とは例えば、
- 自分の勉強の時間を増やす
- 将来について考える時間をとる
- 親孝行する
- 家族との時間を増やす
- 社外の人脈作り
などが挙げられます。
この「緊急ではないが重要なこと」は、日々の緊急のタスクに追われているとなかなか手をつけられず、後回しにされがちです。そこでコーチングという場でテーマとして扱うことで、「普段忘れてしまっていた大事なことについて向き合うことができた」という実感を得やすくなるでしょう。
コーチングを受ける目的から考える
次は、「長期的に扱うテーマ」の決め方についてご紹介します。
先ほどもご紹介した通り、「長期的に扱うテーマ」は3ヶ月から半年間ほどにわたって向き合う大きなテーマです。したがって、コーチングを受ける目的を深掘りして考えることで、「長期的に扱うテーマ」は自ずと決まっていくでしょう。
「なぜコーチングを受けるのか」
「コーチングを継続的に受けた先に、どうなっていたいのか」
「どんな未来になら、コーチングに投じたお金を払ってもいいと思えるか」
このような問いについて今一度考えてみることで、自分がどんなテーマを長期的に扱っていきたいのかが見えてくるでしょう。
コーチングテーマの具体例
コーチングのテーマは基本的に何でも良いことは先ほどお伝えしましたが、テーマを考える上で、「普通はどんなテーマで話すことが多いのか」が気になる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで次に、コーチングテーマの具体例を以下のジャンル別で一挙ご紹介します。
仕事
仕事に関するテーマで行われるコーチングは「ビジネスコーチング」と呼ばれ、コーチングの中でも特に人気のテーマといえるでしょう。
仕事に関するコーチングのテーマには、例えば以下のようなものがあります。
・仕事に充実感がない
・新規事業のビジネスプランを決めたい
・会社のビジョンを決めたい
・部下が自発的に行動できるようにしたい
・部下とのコミュニケーションを改善したい
・自分のやりたいことがわからない
・独立に向けてやるべきことを明確にしたい
・転職を成功させたい
・ビジネススキルを高めて昇格したい
ビジネスコーチングについてさらに詳しく学びたい方は、「ビジネスコーチングで部下育成が変わる|導入時のコツや注意点・成功事例」の記事を参考にしてください。
恋愛
恋愛に関するコーチングのテーマには、例えば以下のようなものがあります。
・結婚相手を探したい
・パートナーとの関係性を改善する方法を探りたい
・もっと愛される人間になりたい
・恋愛するのが怖い
・彼氏が欲しい
人間関係
「人間関係の悩みが9割」と言われるほどですから、人間関係はコーチングのテーマとして選ばれやすいです。
人間関係に関するコーチングのテーマには、例えば以下のようなものがあります。
・コミュニケーション能力をあげたい
・周りの目を気にせず生きられるようになりたい
・部下との関係を改善したい
・家族との時間をふやしたい
・友達をふやしたい
・上司からのパワハラをどうにかしたい
・思っていることを言えるようになるには
・子どもがいうことを聞かない
健康
健康に関するコーチングのテーマには、例えば以下のようなものがあります。
・ダイエットしたい
・食生活を改善したい
・運動を習慣化したい
・早寝、早起きを習慣化したい
学び
学びに関するコーチングのテーマには、例えば以下のようなものがあります。
・学びにかける時間を増やしたい
・学ぶべきことが多すぎるので、何を学べばいいのか考えたい
・読書を習慣化したい
・メンターを探したい
以上、コーチングテーマの具体例をジャンル別に挙げましたが、本来コーチングのテーマは無数に存在しています。ジャンルでくくれないような「人生」レベルのテーマも多くありますので、テーマの具体例を参考にしつつも、やはり今ご自身が抱えられている課題感や目標を最優先に考えることが良いでしょう。
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実際のコーチングの流れ
初めてコーチングを受ける方の中には、「コーチングはどんな流れで進められて、どのように効果を実感するのだろう?」という疑問を抱かれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで次に、認定コーチである筆者の立場から、コーチングを進める一般的な流れをご紹介します。
コーチングの進め方がわからずハードルを感じている方は、ぜひ読んでみてください。
- 自己紹介・雑談
- テーマ設定
- 目標設定
- 現状確認
- プロセス設定
- 最初のアクション決定
自己紹介・雑談
オンラインであろうと対面であろうと、まずはコーチとクライアントの信頼関係を築くことが最初のステップです。
信頼関係はコーチングが効果的に機能するための重要な条件の一つです。
- 「この人に話して、誰かにばらされたらどうしよう…」
- 「こんな悩みを打ち明けて、笑われないだろうか」
- 「正直もっと話したいテーマが別にあったけれど、伝えるのは遠慮しよう…」
クライアントがこうした気持ちを抱いたままセッションを進めても、本当に満足のいくコーチングを行うことはできません。したがって、コーチはまず以下のような方法で信頼関係を築こうとします。
- 自己紹介
- お互いの呼び方の確認
- 雑談
- コーチには守秘義務があることの説明
- (オンラインの場合)トラブル時の対応の仕方
テーマ設定
自己紹介・雑談が終わったら、次はその日のセッションの「テーマ設定」を行います。
コーチから「今日はどういったテーマでお話しましょうか?」という質問が投げかけられる場合もあれば、雑談で出てきた話がそのままテーマになる場合もあります。
一般的には、クライアントであるあなたがテーマの候補をいくつか挙げた上で、1つに絞ります。最後に「本日はこのテーマでお話していってもよろしいですか?」という確認があることが一般的なので、モヤモヤやズレを感じたらぜひその場で伝えましょう。
目標設定
コーチングのセッションにおいて最も重要で、長い時間を費やすのが「目標設定」のステップです。
旅行の予定を立てるのと同様に、目的地が定まっていなければ、そこまでの道のりや必要な行動を考えることもできません。したがってコーチは、以下のような質問を通じてあなたの「なりたい姿」を明確にします。
- 「理想の状態はどんな状態?」
- 「目標を達成して、最高に嬉しい瞬間は?」
- 「そのとき、あなたはどんな表情をしている?」
- 「いつまでに実現したい?」
- 「この目標を達成した先にある、本当に得たいものって?」
以上の質問例はほんの一部にすぎません。コーチによって目標の描き方も様々なので、セッションをみる上で注目してみると良いでしょう。
現状確認
目標が明確に定まったら、次は現状を確認します。現状を確認するというのは、たとえば以下のようなことをさします。
- 今、ゴールまで何%のところにいるのか
- 目標に対して、これまではどんなことをやってきたのか
- 自分が使えるリソース(経験・知識・人脈など)は何か
「理想=目標」と「現実=現状」が明確になると、その間の「ギャップ」が見えてきます。
プロセス設定
目標と現状が定まると、次は目標に至るまでのプロセスを決めます。
旅行に例えるならば、旅の目的地と現在地がはっきりとわかったので、目的地までの道のり・行き方を決めるステップです。現在地が東京で目的地が北海道であれば、行き方は「電車と飛行機」のように決まります。同じように、コーチはゴールまでの大まかな道のりを考えるサポートをします。
このとき、先ほどの「現状確認」のステップで確認したリソース(経験・知識・人脈など)をどう活用するのか、といったことも含めて考えていきます。
最初のアクション決定
セッションの最後には、必ず「最初のアクション」を決めます。
アクションを具体的に決めていないと、人はなかなか行動に移すことができません。「いつやるべきか」「具体的にどうやるべきか」こうした疑問があるうちは、行動へのハードルが高いままなのです。
例えば「知り合いに相談する」という行動よりも、「Aさんに、messengerで、明日の朝15分の通勤時間をつかって相談したい旨を伝える」という行動の方がはるかに実行されやすいでしょう。
そこでコーチは、以下のような質問を通して、最初にとる行動を具体的にイメージできるようにサポートします。
- 目標達成に必要な行動のうち、このセッションのあと早速とりかかる行動はどれですか?
- その行動は、いつできるといいですか?
- 何(ツールなど)をつかってそれを行いますか?
- 誰とそれを行いますか?
- 行動が完了したといえる基準はどこにしますか?
最初のアクションが決まると、きっとコーチはあなたのことを後押しするような力強い言葉を投げかけてくれるでしょう。
「あなたならきっとできます、頑張ってください!」
「行動してみてどうだったか、是非次回のセッションで聞かせてください!」
「応援しています!」
信頼しているコーチからのこうした力強いリクエストは、想像以上にあなたに力をくれるでしょう。クライアントであるあなたからその日の感想などを伝えて、セッションは終了します。セッションが終わったら、あとは決めたアクションを実行するだけです。
- 自己紹介・雑談
- テーマ設定
- 目標設定
- 現状確認
- プロセス設定
- 最初のアクション決定
今回ご紹介した上記の流れは、あくまで一般的なものです。テーマが途中で切り替わったり、目標設定より先に現状確認をしたりと、セッションの中身によって流れが変わることもあり得るので、留意しておきましょう。
コーチングの効果についてさらに詳しく学びたい方は、「コーチングの効果を全解説!部下育成での実践例やメリット・科学的根拠も」の記事を参考にしてください。
初めてコーチングを受ける前に考えておくべきこと
コーチングの長期的なテーマを決める上で、「コーチングを受ける目的」を考えておいた方が良いことをご説明しました。最優先に考えておくべきことは「受ける目的」ですが、他にも2つ、考えておくべきことがあります。
上記で決めた「コーチングを受ける目的」に対して、どれだけのお金を払う価値があるのか、そして今現実的にどれだけ払えるのかを明確にしましょう。
また、予算と同時に「コーチングを受ける期間」も考えておくことが賢明です。
コーチングの料金体系は、「1回あたり〇〇円」と決まっているものと、「◯ヶ月◯回〇〇円」という期間とセットの形式のものがあります。
したがって、
を決めて初めて、総合的にそれぞれのコーチを判断することができるといえるでしょう。
ちなみにコーチを探す際には、
- コーチ紹介ページを利用する
- 知人に紹介してもらう
- SNS・本・雑誌で探す
といった方法があるので、ぜひご参考にしてみてください。
まとめ:コーチと協力して、あなたの自己実現に本当に必要なテーマを選ぼう
いかがだったでしょうか。
コーチングには「長期的に扱うテーマ」と「毎回のセッションで決めるテーマ」の2つがあり、王道の決め方として「緊急ではないが重要なことを選ぶ」という方法をご紹介しました。
コーチングの進め方や予算・期間を事前に考えておくことで、後悔することなく最初の一歩を踏み出すことができるでしょう。コーチはあなたを全力でサポートしてくれる存在ですので、コーチと話し合いながら、本当に必要なテーマで話していきましょう。
※ちなみにCOACHING DOJOでは、LINE@登録で”パーソナルコーチング”サービスを初回完全無料でご提供しております。
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