仕事の失敗が怖い原因と、無理なく行動力を高める5つの心理学的方法 – コーチング道場(COACHING DOJO)

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COACHING DOJO編集部
2021.03.02 / 21 min read

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この記事の監修者
濱崎 翔吾(銀座コーチングスクール認定コーチ)

               

東京大学経済学部経営学科。心理学や心理療法、チームビルディングなどについて学ぶ。スタートアップ数社でのインターン経験、Youtubeでの情報発信経験を経て、ステラー株式会社にジョイン。現在はコーチングを通して多くのクライアントの目標達成を支援している。

コーチングの真価をわかりやすく伝え、みなさんのコーチングとの”出会いの場”を創出いたします。

仕事で失敗してしまうと、築き上げた信頼や周りの人からの期待を裏切ったり、会社の仲間や上司に迷惑をかけたり可能性がありますよね。 そうした恐れから、「失敗が怖くて、仕事で挑戦できない…」「完璧主義が出て、なかなか動けない…」と感じる方も少なくないのでは。 失敗を恐れずチャレンジして仕事で大きな成果を残したいけれど、「とりあえず行動しよう」といった根性論では「失敗したくない」気持ちが消えなくて困っている人も多いはず。

そこで今回は、失敗が怖いと感じる原因と、失敗の恐怖を克服する5つの方法をご紹介します。 心理学の最新の知見をもとにした「3種類の失敗」や、成功者が語る失敗についてもご紹介するので、あなたにとって最適な失敗との向き合い方がわかるはず。

明日から失敗を過度に恐れずチャレンジし、仕事で周りに差をつける人材になりましょう!

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失敗には3種類ある

一言に「失敗が怖い」と言っても、その中身は様々です。失敗への恐怖を取り去って行動を起こすためには、まず「失敗とはどんなものなのか」を知り、そして「自分がを恐れているのはどんな種類の失敗なのか」を理解することが重要です。

失敗を分析する際には、組織学習の専門家であるエイミー・エドモンドソン教授が提唱している次の3つのタイプに分類して考えるのがおすすめです。

防ぐことのできる失敗

1つ目は、「予防できる失敗」です。「予防できる失敗」とは、不注意などで生じる、いわゆるケアレスミスのような失敗のことです。複数人のチェックをフローに取り入れたり、事前にしっかりと学習しておいたりすることで、避けられる失敗だと言えます。

あなたが特に恐れているのが「予防できる失敗」であれば、比較的やるべきことは明確です。不注意からくるケアレスミスをなくすための工夫や、知識不足を補うための追加学習などが対策として考えられますね。

複雑な失敗

2つ目が、「複雑な失敗」です。非常に難しいタスクや、様々な要因が複雑に絡み合っている場合、事前にどれだけ対策をしていても避けられない心配があります。「複雑な失敗」をしてしまったとしても、その原因は事前の準備不足ではないと言えそうです。

「複雑な失敗」という言葉が意味するのは、「決して避けることができない失敗が存在する」ということです。もしあなたが非常に難しくチャレンジングな仕事に挑戦する状況に置かれているなら、その先の「複雑な失敗」はおそらく避けられないでしょう。しかし、「もし失敗したらどうしよう」と考え心が落ち着かない状態でいるより、「複雑な失敗は絶対に避けられない」と考える方が気持ちが楽になる方もいらっしゃるのでは。

知的な失敗

3つ目が「知的な失敗」です。「知的な失敗」とは、できることなら避けたい「予防できる失敗」や「複雑な失敗」と異なり、むしろ戦略的に経験しようとしてなされる失敗のことを指します。

具体例をあげて考えてみましょう。例えばあなたが新規事業の責任者になり、製品Aのアイデアや技術を検討しているとします。もし開発初期に、ユーザーのニーズにそぐわない技術やデザイン・機能を選んで1つの型を販売してしまった場合、後々莫大な失敗コストを支払うことになりますよね。開発や製作に費やした時間も、無駄になってしまいます。

そこで、「知的な失敗」を積極的に取り入れようという戦略を立てることができます。開発初期に10種類の試作品を製作し、それぞれにユーザーのフィードバックを貰うとするとどうでしょうか。この場合、10種類のうち9種類はユーザーから酷評され、ダメ出しを受けるかもしれません。

しかしこれら9種類の「知的な失敗」から得られたデータは製品の今後の開発に活かすことができ、残った1種類のデザイン・機能が最善だという確たる根拠になります。開発や製作に費やした時間やコストは、長期的にみると少なくすんでいると言えます。

このように、「知的な失敗」とは、より大きな成果をあげるための手段として戦略的に行われる失敗なのです。

失敗を活かす方法についてさらに詳しく学びたい方は、「失敗には3種類ある?失敗を活かす考え方と、成長につなげる方法を解説」の記事を参考にしてください。

失敗が怖いと感じる原因

自分の挑戦を妨げている「失敗」にも、様々な種類があることがイメージできたでしょうか。

「失敗が怖くて新しいことに挑戦できない」と感じる方の中には、「なぜ自分だけ過度に失敗を怖がってしまうのだろう?」「失敗を怖く感じすぎてしまうのは、何かの病気なんだろうか?」と考えてしまう方もいらっしゃるのでは。

結論からいうと、失敗を不安に感じるのは何もおかしいことではなく、親や教育で刷り込まれた心理的な反応だと言えます。ここで、みなさんが失敗が怖いと感じる主要な2つの原因をご紹介します。

強い完璧主義

心理学の専門誌である「Psychology Today」では、完璧主義とは、”人生そのものを『成績表』にしてしまう特性”であると述べられています。「完璧な結果を残さないと他者から認められない」という考えに基づいて、何事も完璧であることにこだわり、自分や他人の失敗やミスを強く責める傾向のことです。

もちろん、仕事において完璧主義が全面的に悪いというわけではありません。完璧主義が強い人は一般的に、「責任感が強く、成果物の質に対して手を抜かない」「創造性が高い」といった特徴があります。

しかし「完璧主義が何に対して出るか」という方向性が、仕事において悪影響を及ぼすことも事実ではないでしょうか。自分の経歴やプライドに対して完璧主義が強いという人は、自尊心を守るために失敗を避けてしまいやすくなります。

「失敗はいけない」という刷り込み

仕事において完璧主義が出やすいからといって、「自分は完璧主義が強いから、駄目なんだ…」と責任を感じる必要はありません。

完璧主義が強くなった原因としてあげられる原因の一つが、親や教育による、「失敗はいけない」という刷り込みです。親や教師が直接「失敗してはいけない」と伝えるわけではなく、親や教師のコミュニケーションから、私たちは間接的に「失敗してはいけない」というメッセージを受け取るのです。

例えば、親が子どもの「できなかった点」を鋭く指摘するという減点式の教育方針をとっている場合、当然子どもは「なるべく失敗しないようにすれば、叱られずにすむ」と学びます。一方で、親が子どもの「できた点」を積極的に褒めるという加点式の教育方針をとると、子どもは「良い結果を出すほど、褒められる」という学びを得ることになります。このように完璧主義とは、親や教師によるコミュニケーションの中で、少しずつ獲得されていくものなのです。

シンガポール国立大学による2017年発表の研究では、厳しいしつけを受けた子どもは過剰に失敗を恐れるようになり、失敗した自分を責めやすくなると示しています。また、親から批判的な言葉をかけられた子どもは、大人になっても自己批判しやすいという研究結果もあります。

「失敗が怖くて行動できない」のデメリット

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失敗が怖いと感じる原因は、これまでの教育や周りからかけられた言葉であるということがわかりました。しかし「失敗が怖くて行動できない」方の中には、「失敗を避け続けるとどんなデメリットがあるのかわからないから、行動に移せない」と感じる方もいらっしゃるのでは。

そこで次に、失敗を怖がり避け続けることはあなたにどんなデメリットがあるのか、次の2つのポイントでご紹介します。

成功へのチャンスを逃す

完璧主義が強く失敗を避ける傾向が強い人は、成功につながるチャンスを逃す可能性が高まるといえます。完璧主義が強い人は、往々にして決断に時間がかかります。失敗を避けるために事前に戦略を練ったり、対策を講じようとしたりするためです。

しかし、必ずしも成功のチャンスにじっくり考える時間が付いてくるとは限りません。たとえ自分の基準から考えれば準備不足で100%納得ができていなくても、即決しないと逃げてしまうチャンスも存在します。

成長から遠ざかってしまう

失敗を過度に避けることは、成長から遠ざかってしまうことを意味します。この主張は、科学的な研究でよって信憑性を増しつつあります。

ケロッグ経営大学院の博士研究員ヤン・ワンらが発表した論文(https://newspicks.com/news/4405595/body/)では、2つの研究者のグループが比較されました。研究者たちが掲げた研究の目的は、以下のようなものです。

「”失敗から強くなる”という言葉は、苦境にある自分を励ますためによく使われる。しかし、本当に意味があるのだろうか?」

News Picks より引用

研究チームは、キャリア初期で失敗を経験した研究者と、キャリア初期で成功をおさめた研究者のグループのその後の功績を比較しました。すると、後々「ヒット論文」を発表する確率は、キャリア初期で失敗を経験したグループだったそうです。

もちろんこの研究結果は研究者を対象にしたものであり、「失敗」が自分の評価に直結するビジネスにおいてそのまま当てはまると断言することは難しいかもしれません。しかし、「挑戦した上での失敗」を歓迎する会社や成長を重視する会社では、結果的に多くの失敗をした人がより高い地位を手に入れているのではないでしょうか。

「失敗は大事」。たぶん日本社会でもっとも軽視されている考えだけど、失敗から学ぶ事ほど有益な手段はないと思うのですね。

これは持論なのですが「失敗から多くを学べるが、成功から学ぶ事は少ない」と思ってます。

— SCA自(すかぢ) (@SCA_DI) February 26, 2021

おはようございます☀上手くいく事と、上手く行かない両方を経験する事で経験値が上がりますまた失敗談から多くの事を学べたりします世間で注目を集めるのは、成功者がいかにして成功したかです失敗者は注目されませんだから、自分の上手く行かなかった事は貴重な情報です

#おは戦30224fs🌊

— 佐藤 雅司💫2社の会社の社長 (@masa_310_sato) February 23, 2021

成功者が語る「失敗」

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失敗を避け続けることで、成功や成長が遠ざかっていくことがわかりました。

次に、「成功者はどんな失敗をしてきたのか?」「成功者は失敗というものをどう捉えているのだろう?」といった問いに、3人の成功者を取り上げてお答えします。

トーマスエジソン

蓄音機の実用化など1300もの発明を成し遂げた「発明王」として有名なトーマス・エジソンですが、彼はその発明のために何万回という失敗を重ねたと言われています。

トーマスエジソンの有名な格言に、次のようなものがあります。

私は失敗したことがない。ただ、1万通りの、うまく行かない方法を見つけただけだ。

I have not failed. I’ve just found 10,000 ways that won’t work.)

名言+Quotes

人生に失敗した人の多くは、諦めたときに自分がどれほど成功に近づいていたか気づかなかった人たちだ。

Many of life’s failures are people who did not realize how close they were to success when they gave up.

名言+Quotes

ジャック・マー

Alibaba(アリババ)の創業者であり億万長者で有名なJack Ma(ジャック・マー)氏は、過去のキャリアにおいては失敗の連続でした。以下にジャック・マーの失敗歴をまとめてみます。

  • 高校受験に2度失敗
  • 大学受験に3度失敗
  • 就職活動に30回失敗
  • KFCの採用試験で24人中ジャック・マーだけ不合格
  • ハーバード大学に10度入学拒否

これだけの失敗を経験してきたジャック・マーの名言には、次のようなものがあります。

「もし本を出すとしたら『アリババの1001個のミス』を書きたい。人生で最も重宝しているのが、失敗だから」

Forbes より引用

「失敗こそ起業家にとって最高の栄養です」

ALIBABA NEWS JAPANESE より引用

数々の失敗を乗り越えて成功を掴み取ったジャック・マー氏の言葉だからこそ、説得力があります。

ジャック・マーのキャリアや人生観についてもっと知りたいという方は、中田敦彦さんのYoutube大学にあげられている、ジャック・マーの動画を視聴されてみてはいかがでしょうか。

マイケル・ジョーダン

「バスケットボールの神様」と呼ばれるマイケル・ジョーダンですが、その成功の秘訣が彼の名言に隠されています。

今までに9,000ショットのミスをした。

300ゲーム負けた。

ウイニングショットは26回外した。

失敗して、失敗して、失敗し続けた。

だから成功した。

grape より引用

何かを始めるのは怖いことではない。

怖いのは何も始めないことだ。

grape より引用

「失敗が怖い」を克服する5つの方法

「トーマスエジソン」・「ジャック・マー」・「マイケル・ジョーダン」という3人の成功者の名言から、失敗を重ねることの重要性、そして失敗を恐れず行動することの重要性が伝わってきたのではないでしょうか。

ただここまでの文章を読んでみても、やはり「失敗したくない」気持ちが消えなくて困っている方もいらっしゃるはず。

そこで最後に、「失敗が怖い」と感じた時にやるべき5つの対処法をご紹介します。もちろん、この5つの方法を行っても、失敗への恐怖が完全になくなることはないでしょう。しかし、チャレンジするために恐怖をゼロにする必要はありません。失敗への恐怖を活かして失敗しにくいプランを立て、自分の挑戦を妨げない程度まで恐怖を減らし、実際に行動を起こすことが重要です。

以下の5つの方法を実践して、ぜひあなたの仕事で大きな成果を残せる人材へと変わりましょう。

  • 最悪の結果を想定する
  • 失敗を恐れる自分を許す
  • 完璧主義を和らげる
  • 失敗の解釈を変える
  • 情熱を捧げられる目標を定める

最悪の結果を想定する

まずは、「最悪の結果を想定」しましょう。最悪の結果を想定するメリットは、「あなた自身が具体的にどういう結果を恐れているのか」を明確にすることで、対策を講じられるようになることです。以下の質問にそって考えてみると、より具体的にイメージすることができます。

自分にとっての「最悪の結果」が起きてしまった場合、

  • 会社や上司、取引先などにどんな影響を及ぼすでしょうか。
  • あなたの評価にはどんな影響があるでしょうか。
  • どのように対処すれば良いでしょうか。
  • どのようなバックアッププランが考えられるでしょうか。

最悪の結果が周りに影響を及ぼす場合、周囲に了承をとっておくのが賢明です。「最悪の場合、こうなってしまうかもしれない。そのときは、このプランに切り替える。」このような伝え方で事前に上司などに了承してもらえると、失敗への恐怖も薄まるのではないでしょうか。

失敗を恐れる自分を許す

心理学の研究では、「恐れ」のようなネガティブな感情は、抑えようとすればするほど長続きするということがわかっています。したがって「失敗を恐れてしまう自分」を認め、許すことによって、逆に恐怖を早くやり過ごすことができます。

「今、自分は挑戦して失敗するのを怖がっている。」

「失敗は怖くてもいい。」

「誰しも挑戦するときは怖いもの。」

このように自分に思いやりをもって接して行動を促すアプローチは、「セルフコンパッション」と呼ばれ、ストレスマネジメントや臨床心理の分野で注目を浴びています。

失敗の解釈を変える

「失敗の解釈を変える」というステップは、ここまで記事の内容を読んでいただければ問題なく理解できるのではないでしょうか。

みなさんはすでに、戦略的に取り入れる「知的な失敗」があることや、失敗は成功や成長に不可欠であることをご理解していただいていると思います。「予防できる失敗」は事前の準備や学習で避ける努力をしつつも、その他の失敗は「成長への糧」であるとして捉えるべきでした。

失敗していないのはチャレンジしていない証拠であると考えられると、失敗することへの恐怖心が減り、行動に移しやすくなるのではないでしょうか。

情熱を捧げられる目標を定める

あなた自身が情熱をもって取り組める目標が存在していることも非常に重要です。「目標を達成したい」という強い気持ちがあれば、ここまでのステップで失敗への恐怖が弱まっている場合、目標達成のための行動が優先されるはずですね。

「そんなに強い情熱を感じられない」という方は、目標を達成できた未来、あるいは挑戦を乗り越えた先の理想の未来を思い描いてみましょう。コーチングには、目標達成した状態を具体的にイメージするための定番の質問が存在します。以下の質問にたいして答えを考えるだけでも、目標にたいするモチベーションが強まるのを感じられるはずです。

  • あなたが挑戦を乗り越えているのは、いつですか?
  • 「挑戦を乗り越えた」と言えるのは、何がどうなったからですか?
  • 挑戦を乗り越えたとき、あなたはどんな成長をとげていますか?
  • 挑戦を乗り越えたとき、あなたはどこでどんなことを感じていますか?
  • 挑戦を乗り越えたとき、あなたはどんな表情をしていますか?
  • 挑戦を乗り越えたとき、周りの人はあなたにどんな声をかけていますか?

コーチングの意味についてさらに詳しく学びたい方は、「これだけ読めば分かる!コーチングの意味をメリット・種類・スキルから解説」の記事を参考にしてください。

まとめ;失敗を想定して、行動できる人材になろう

いかがだったでしょうか。本記事では、失敗の3つの分類から成功者の名言・失敗への恐怖を乗り越える方法を網羅的にご紹介してきました。本記事を通じて失敗への解釈が変わり、「失敗が成功に不可欠なもの」と考えられるようになれば幸いです。

挑戦を前に失敗を恐れてしまうのは自然な反応です。自分の恐れを認めて許し、解釈し直すことで、臆さず挑戦できる人材になりましょう。

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