COACHING DOJO編集部
2021.05.01 / 15 min read
この記事の監修者
濱崎 翔吾(銀座コーチングスクール認定コーチ)
東京大学経済学部経営学科。心理学や心理療法、チームビルディングなどについて学ぶ。スタートアップ数社でのインターン経験、Youtubeでの情報発信経験を経て、ステラー株式会社にジョイン。現在はコーチングを通して多くのクライアントの目標達成を支援している。
コーチングの真価をわかりやすく伝え、みなさんのコーチングとの”出会いの場”を創出いたします。
どんな仕事も、円滑に進める上でコミュニケーションが非常に大切です。「ミスコミュニケーションはなぜ起こるのだろう」「ミスコミュニケーションを減らす方法を知りたい」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、ミスコミュニケーションがおこる3つのパターンと、ミスコミュニケーションを避けるためのコツをご紹介します。ミスコミュニケーションとディスコミュニケーションの違いや、コミュニケーションを上達させるための具体的な方法もご紹介するので、明日からミスを確実に減らすことができるはず。
ミスコミュニケーションを減らし、仕事を円滑に進められる人材になりましょう。
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コーチングの意味について詳しく学びたい方は、「これだけ読めば分かる!コーチングの意味をメリット・種類・スキルから解説」の記事を参考にしてください。
ミスコミュニケーションとは
それではまず、「ミスコミュニケーション」という言葉の意味についてご説明します。
ミスコミュニケーションとは
そもそも「コミュニケーション」は「互いの気持ち・意見を伝達し合い、通じ合っていること」をさします。
一方で「ミスコミュニケーション」とは、コミュニケーションが失敗している状態のことなので、「違いの気持ちや意見、伝えたいことが伝わっておらず、通じ合っていないこと」といえます。
職場で考えると、
「口頭でしっかりと伝えたはずなのに、伝わっていなかった」
「部下が理解できるように説明したつもりだったが、部下は理解できていなかった」
といった状態のことですね。
日々情報や気持ちの交換が盛んにおこなわれるビジネスの現場において、ミスコミュニケーションが起こることは珍しいことではないでしょう。おそらくみなさんも、心当たりは少なからずあるかと思います。
ディスコミュニケーションとは
ミスコミュニケーションとよく似ている言葉に、「ディスコミュニケーション」という言葉があります。
意思伝達ができないこと。コミュニケーションが絶たれた状態。
コトバンク より引用
つまり、ディスコミュニケーションは、そもそも「コミュニケーション」が行われていないことを指します。
また、転じて、
- コミュニケーション能力が著しく欠けている
- 他人と意思疎通が極めて苦手
といった人の特徴をディスコミュニケーションと呼ぶケースもあります。
ミスコミュニケーションとディスコミュニケーションの違い
「コミュニケーションが失敗している」という点では共通しているミスコミュニケーションとディスコミュニケーションには、どのような違いがあるのでしょうか。
違いを端的に述べると、ミスコミュニケーションは「伝えたけれども、うまく伝わらない」ことを指し、ディスコミュニケーションは「そもそも伝えていない」ことです。
例えばある職場で部下が、上司に任せられた仕事を納期までに終わらせることができない、と気づいたとします。
ミスコミュニケーションは、部下は上司に「納期に間に合わない」ことを伝えようとするも、上司がそれを正確に理解できていないという状況です。
もし部下が「納期がギリギリでして…」という曖昧な表現で伝えた場合、上司は「納期に間に合うか、五分五分のようだ」あるいは「部下はギリギリで間に合わせそうだ」と解釈するかもしれません。
しかし実際の部下が置かれている状況が、”確実に納期に間に合わない”というようなものであれば、上司と部下の認識にギャップが生じてしまっているといえます。
このように、部下は「伝えたつもり」でも「伝わっていない」というような状況を、ミスコミュニケーションというのです。
一方でディスコミュニケーションは、部下は上司に対して「仕事が納期に間に合いそうにない」ことを伝えず、一方の上司も、部下に進捗を聞いていないような状況のことです。
2人の間にコミュニケーションがそもそも生まれていないことで、お互いの認識にギャップが生じてしまっている状況です。
コミュニケーション能力を高めるメリット
コミュニケーションの失敗である「ミスコミュニケーション」や「ディスコミュニケーション」を減らすことは、あなたの総合的なコミュニケーション能力を高めることにもつながります。
ここで、職場やビジネスの現場においてコミュニケーションを高めるメリットを確認してみましょう。
仕事の生産性が高まる
コミュニケーション能力を高めるメリットの1つが、仕事の生産性が高まることです。
多くの人は、同僚・上司・部下・クライアントなど、多くの人とコミュニケーションを取りながら仕事をされているでしょう。したがって、一つ一つのコミュニケーションで、「何をどうして欲しいか」を円滑に伝えることができれば、全体的に仕事の生産性が高まります。
特に、プロジェクトチームで密にコミュニケーションを取りつつ仕事を進めるような状況では、チームの連携を大きく左右するのがコミュニケーション能力です。
つまり、「ミスコミュニケーション」をなるべく減らすことが、仕事の生産性に大きく関わっているということですね。
信頼関係が構築しやすくなる
コミュニケーション能力を高めるメリットの2つ目が、信頼関係が構築しやすくなることです。
これは、ミスコミュニケーションを減らすという意味でも、ディスコミュニケーションを減らすという意味でもあります。
ミスコミュニケーションを減らすことができれば、周囲の人に「あの人との連絡にはミスがないから、積極的にあの人に情報を伝えよう」と思われる可能性が高まります。
また、ディスコミュニケーションを減らすことは、単純に接触回数を増やし、お互いのことを知る機会を多くすることにつながります。
心理学の用語に「単純接触効果」というものがあります。「単純接触効果」とは、接触頻度が多くなるだけで、対象に対する好意的な態度が形成される現象のことです。つまり、コミュニケーション量を増やすだけでも、相手があなたに接触する回数が増加し、あなたに対する好意が強まるということなのです。
ミスコミュニケーションが起こる3パターン
ミスコミュニケーションを減らすためには、ミスコミュニケーションが起こるパターンを理解しておくことが必要です。
以下の3つのパターンについて、それぞれ解説していきます。
- 情報を歪めてしまう
- 情報を省略してしまう
- 情報を一般化してしまう
情報を歪めてしまう
ミスコミュニケーションが起こる1つ目のパターンが、情報を歪めてしまうことです。
事実を事実として伝えるのではなく、個人のフィルターを通して情報を伝えるとき、情報を歪めてしまいやすくなります。
例えば、「クライアントから催促のメールがきた」という”事実”があるとき、部下が上司に、以下のように伝えたとします。
「クライアントが怒っています」
これは情報を歪めてしまっている典型的なパターンであり、「怒っている」という憶測を事実のように話してしまうことで、ミスコミュニケーションが生まれてしまっています。
情報を省略してしまう
ミスコミュニケーションが起こる2つ目のパターンが、情報を省略してしまうことです。
先ほどの「クライアントから、催促のメールがきた」という報告を例に考えてみましょう。
「クライアントから催促のメールが来た」という文章の裏には、実は5W1Hが隠れており、部下の報告はそれらの情報を省略しています。
全ての情報を伝えることは不可能ですが、省略された部分を埋めると、例えば以下のような報告をすることも可能です。
「クライアント(Aさん)から(昨日)、(プロジェクトBに関する)催促のメールが(3件)来た」
いかがでしょうか。この文章であれば、上司は「どのクライアントから?」「いつ?」「何に対する催促?」といった質問をする必要がないですし、誤解してしまう可能性もひく区なります。
短くコンパクトに伝えようとした結果、必要な情報までもが削がれてしまい、ミスコミュニケーションを生み出してしまうというパターンです。
情報を一般化してしまう
ミスコミュニケーションが起こる3つ目のパターンが、情報を過度に一般化してしまうことです。
過度な一般化というのは、例外から目をそらし、「全ての◯が▲である」というような物言いをしてしまうことです。
例えば夫婦が口喧嘩をするときの会話に、「あなたっていつもそう!」「お前は全然話を聞いてくれない」というものがあるとします。
これらの会話文も「いつも」「全然」といった”過度な一般化”の言葉を使っているため、事実から離れたメッセージになりやすいと言えます。事実とは違う伝え方になるため、「いつもじゃない」「この間はちゃんと聞いてたじゃない」といった反論を招いてしまうことにもつながります。
ビジネスの現場でも、過度な一般化はよく見られます。
「あの会社への営業は不可能です。以前商談のアポを取ろうとした際は断られので。」
「うちのメンバーはみんなモチベーションが低い」
「最近の若い社員はまるで根性がない」
このような過度な一般化は、事実からかけ離れた情報をつたえる可能性を高めてしまうので、意識的に減らしていくことが大切です。
ミスコミュニケーションを避けるための4つのコツ
Businessman and businesswoman look at important papers outside
それでは、ミスコミュニケーションを避けるために、どのようなことに注意をすれば良いのでしょうか。
ここでは、以下の4つのコツをご紹介します。
- コミュニケーションのルール・型を決める
- 自分の解釈が間違っていないか確認する
- 文章で伝える
- 形容詞・副詞ではなく、名刺や数値でつたえる
コミュニケーションのルール・型を決める
ミスコミュニケーションを避ける1つめのコツは、「コミュニケーションのルール・型を決める」ことです。
ルールと聞くと、一見「窮屈なもの」という印象を抱かれるかもしれませんが、ルールがあることでむしろ「楽になる」こともあります。
例えば、社内連絡の際は、自分が伝える内容が
・情報共有
・意思決定のお願い
・相談
のどれであるかを最初に明示するというルールを作ったとします。
このルールができ、最初は窮屈さを覚えるかもしれませんが、社内連絡のたびに「どういう順番で伝えようか」と考える必要がなくなるという側面もあります。
もしあなたが管理職であり、自分の周りでミスコミュニケーションが頻発しているのであれば、「コミュニケーションのルール」という仕組みで解決することは効果的です。
自分の解釈が間違っていないか確認する
ミスコミュニケーションを避ける2つめのコツは、「自分の解釈が間違っていないか確認する」ことです。
先述した「上司はわかりやすく伝えたつもりが、部下は理解できていなかった」というミスコミュニケーションには、この方法が効果的です。
あなたが部下であれば、「〜という認識で間違いないでしょうか?」という一言を最後に付け加えてみましょう。
文章で伝える
ミスコミュニケーションを避ける3つめのコツは、「文章で伝える」ことです。
「言ったつもり」「伝えたつもり」によるミスコミュニケーションを避けるために、特に重要事項や契約に関することは文章で伝えることを心がけましょう。
具体的には、MTGの決定事項を議事録で相手に送ったり、文章で送った議題に沿って口頭で説明したりすることが考えられます。
形容詞・副詞ではなく、数値でつたえる
ミスコミュニケーションを避ける3つめのコツは、形容詞・副詞ではなく、数値でつたえることです。
形容詞や副詞を使うと、伝えるイメージが曖昧になりやすいといえます。
例えば、部下が上司に「A社の研修は”安い”です。」と伝えた時、部下が思う研修の料金相場と、上司が思う研修の料金相場は異なるかもしれません。
「安いならA社にしよう」と意思決定し、あとで蓋を開けると高額だった、というミスコミュニケーションも、きっかけは一つの”形容詞”を使ったことが原因になるのです。
また、「”しばらく”お待ちください」「”すぐ”折り返します」のような文章に見られる、”しばらく””すぐ”といった副詞にも要注意です。
伝える側が1日程度をイメージして「しばらく」と言ったとしても、受け取る側は10分程度をイメージしているかもしれません。
したがって、形容詞や副詞を使いそうになったときは、代わりに「数値」を使うよう心がけてみましょう。
「A社の研修は10万円です。」「30分お待ちください」といった言葉に曖昧さはないので、ミスコミュニケーションが起こる可能性を減らすことができるのです。
まとめ:ミスコミュニケーションを減らし、仕事を円滑に進めよう
いかががだったでしょうか。
ミスコミュニケーションは「伝えたけれども、うまく伝わらない」ことを指し、ディスコミュニケーションは「そもそも伝えていない」ことです。
- コミュニケーションのルール・型を決める
- 自分の解釈が間違っていないか確認する
- 文章で伝える
- 形容詞・副詞ではなく、数値でつたえる
ミスコミュニケーションを減らすこれらのコツを意識的に使って、仕事を円滑に進めていきましょう。
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