COACHING DOJO編集部
2021.03.30 / 19 min read
この記事の監修者
濱崎 翔吾(銀座コーチングスクール認定コーチ)
東京大学経済学部経営学科。心理学や心理療法、チームビルディングなどについて学ぶ。スタートアップ数社でのインターン経験、Youtubeでの情報発信経験を経て、ステラー株式会社にジョイン。現在はコーチングを通して多くのクライアントの目標達成を支援している。
コーチングの真価をわかりやすく伝え、みなさんのコーチングとの”出会いの場”を創出いたします。
自分自身のコーチになり、目標達成に導くことができる「セルフコーチング」。「なんとなく、今の人生にモヤモヤした不満がある」「人に頼らず、自力で目標達成をスピードアップさせるスキルを身に付けたい」と考える方もいらっしゃるのでは。
そこで今回は、セルフコーチングのメリットややり方をご紹介します。認定コーチが監修し、具体的な質問例やセルフコーチングのポイント・うまくいかない原因をご紹介するので、セルフコーチングの「確かな効果」を実感できるはず。 セルフコーチングを生活に取り入れ、あなたの目標達成を加速させましょう!
※ちなみにCOACHING DOJOでは、LINE@登録で”パーソナルコーチング”サービスを初回完全無料でご提供しております。
その他コーチングに関するダイジェストも随時更新しております。
セルフコーチングとは
セルフコーチングとは、文字通り、自らをコーチングすることです。コーチングについては、様々な捉え方がありますが、理想の自分に届くための方法・手段と捉えてもられれば問題ないでしょう。
理想の自分を描き、それを達成するために、何を、どのようにしていくかという観点で、自らを導いていきます。セルフコーチングを行う前にコーチングの理解を深めておきたいので、コーチングについて解説していきます。
コーチングとは
コーチングの起源は、馬車からきています。「目的地まで人を送り届ける」という意味が馬車にはあり、馬車のことを昔はコーチと呼んでいました。そこからコーチを行うこと=理想の自分になるための手段・方法論として「コーチング」の概念が浸透するようになりました。
なので、コーチングを行うことは、人のゴールや目標達成のサポートをすることになります。具体的には、コーチングで行うことは以下のような内容になります。
- ゴール・目標設定のサポート
- ゴール・目標達成度合いに応じた進捗サポート
- ゴール・目標から日々のアクションへの落とし込みへのサポート
- ゴール・目標の再設定や修正
- ゴール・目標の達成度合いに対する振り返り
上記内容を通じて、なりたい姿や理想の姿に近づくためのサポートを行っていくのが、コーチングの役割・機能になります。
コーチングの意味についてさらに詳しく学びたい方は、「これだけ読めば分かる!コーチングの意味をメリット・種類・スキルから解説」の記事を参考にしてください。
コーチングとティーチングの違い
コーチングの理解を深める時に、「ティーチング」を比較することがあります。理由は、コーチングとティーチングの考え方は対照的だからです。
コーチングとは、内面的な自分自身の答えを引き出してあげることで、適切な目標を設定することができるようになります。ティーチングとは、目標を達成するために必要な知識や学習プロセスを相手に「教える」ことがメインになります。
コーチングが目標を「引き出す」のに対して、ティーチングでは、目標達成に必要な知識などを「教える」ことがメインになります。
コーチングとティーチングの違いについてさらに詳しく学びたい方は、「なぜあなたの部下は育たない?ティーチング・コーチングの違いと使い分け」の記事を参考にしてください。
コーチングとセルフコーチングの違い
コーチングとセルフコーチングの大きな違いは、自分に対してコーチングを行うか、他人に対してコーチングを行うかです。
ただし、セルフコーチングは自分で自分導く必要があるので、客観的に自分の事を理解して適切な問いの元進行できるかが重要になります。
難易度は高いですが、セルフコーチングを導入することの効果は大きいです。次章では、セルフコーチングのメリットや効果を紹介していきます。特に自分の盲点(スコトーマ)を外すことが極めて難しいのがセルフコーチングの特徴です。
自分の盲点とは、自分で自分の状態を客観視できておらず、現状理解をできていない状況を指します。
セルフコーチングのメリット
セルフコーチングを行うことのメリットを3つ紹介していきます。
目標達成が加速する
コーチングは本来他人に実施してもらうものですが、自分自身で行うので心理的な負担やストレスがありません。なので、スムーズにコーチングを行うことができます。
また、他人にコーチングを行ってもらう時には、コーチと関係性を構築することが大切なので、時間的コストとそれに伴って金銭的コストも発生します。自分で自分の理想の状態に向かって導けることは、目標に対する達成度も速くなります。
人生の充実感が高まる
自らをコーチングできるようになると、自分の人生に主体性と自立性を持てるので、日々のモチベーションややる気が上がりやすくなります。また、自分の現状の理解とゴールや目標を達成するためのアクションを振り返ることができるので、成長実感を感じやすくなります。
自己理解が深まる
コーチングは現状の理解がないと、目標やゴールに向かうことができません。現状の理解を深めていくなかで、自分を客観的に見る視点やメタ認知能力が向上してくるので、自然に自己理解能力が深まります。
客観的に自分のことを理解するためには、質問に対する回答を繰り返し、自己の強味や弱みを理解することから始まります。そのような繰り返しを行うことで潜在的秘めている自分の思考や思いを引き出すことができ、自己理解に繋がります。
セルフコーチングのやり方
それでは、セルフコーチングの実際のやり方を具体例を用いて紹介していきます。
目指したい目標を設定する
まず、自分自身がどうなりたいのか、何をしたいのかを何度も何度も自問自答していきましょう。自分に問いかける質問例としては以下になります。
- 「人生において、成し遂げないことは何か?」
- 「今まで、我慢していたことはないか?」
- 「どんな状態が自分にとって幸せを感じるか?」
- 「どんな人と、いつ、どこで、どんな話をしていたいか?」
- 「10年後、20年後、30年後、どのように変わっていたいか?」
など、want「~したい」をベースにして、未来の自分の状態に関する質問をどんどんぶつけていきます。そして、これらの質問に対して、WHY「なぜ?」を問いかけます。
「なぜ」を問いかけていくなかで、自分自身の内面に秘めている思考や価値観が出てきます。なぜの問いかけは少なくても5回は繰り返すようにしましょう。
現状を把握する
目標の設定やイメージができたら、次に現状の把握を行っていきます。現状の把握は、設定したゴールや目標とどれくらいの差分が発生しているのかを確かめるために必要です。この差分を自分で理解しておかないと、目標に対して必要なアクションを適切に設定することができません。
現状把握の進め方は、設定した目標に対して障壁になっている事や、マイナス面に働いてい閉まっている自分に行動を振り返っていきます。たとえば、あなたが設定したゴールが「TOEICで満点を取る」のに対して、なかなか点数が上がらないとしましょう。
これに対して現状を振り返り、「勉強時間が不足している」、「勉強のやり方を間違っている」、「得意なパートの点数が伸びていない」、など、目標が達成されていない原因を振り返っていきます。
目標までのプロセスを設定する
原因を把握できたら、目標までのプロセスを設定します。原因を解消するために、「何を、いつ、行うのか」を策定していきます。プロセスを設定することは、スケジュール感を持ち、納期を自分に持たせることができます。
納期を区切ることで、設定したプロセス通りに進行できない際に振り返りやすくもなります。都度振り返ることで、プロセスの改善を随時行えるので、目標までのプロセス設定は必ず行いましょう。
最初のアクションを決める
目標までのプロセスを設定したら、最初に起こしていく具体的なアクションプランを決めていきます。たとえば。「TOEIC満点取得」という目標に対して、満点取得までのプロセスとスケジュールを策定したとします。
そのうえで、最初に実行するべきアクションをタスク的に決めていきます。タスクに落とし込むことで無意識的に実行することが可能になります。
振り返りをする
設定してプロセスとタスクに対して、振り返りを行っていきます。振り返りの時にポイントは主に二つです。「実行有無の確認」「その理由」をしっかりやっていきます。
振り返りで、よくやるミスとして、「〇〇しておけばよかった」という事実ではない希望的な感想になってしまうことです。事実確認を取りに行くというスタンスで、「できたか、できなかったか」「できた理由、できなかった理由」を自分に言葉で振り返っていきます。
そうすることで、できなかったことが今後の課題となり、次の行動の改善に活かしていくことが可能になります。
とは言いつつ、セルフコーチングは簡単にできることではありません。実践していくにあたって、抑えておくポイントがいくつかあるので、次章ではそのポイントについて解説していきます。
セルフコーチングをする上でのポイント
セルフコーチングを実践する上でのポイントは、大きく3つです。それらについて解説していきます。
コーチングの最低限の知識をつける
セルフコーチングを進めるうえで、基本的なコーチングの知識を習得しておくことで導入を簡単に行えるようになります。コーチングの基本的なスキルは、以下の4つによって構成されています。
具体的なスキルの説明については、「【実践】基本のコーチングスキル5つと、部下育成に取り入れる秘訣を紹介!」で解説しているので、一度目を通してはいかがでしょうか。
特にセルフコーチングでは、「質問する」と「フィードバックする」の難易度が高いので注意が必要です。
習慣化して、継続的に行う
2つ目は、コーチングを日常の行動として習慣化することです。コーチングはそもそも短期間では成果が出にくく、中長期で成果が出てくるので、継続しないと効果を感じることができません。
最低でも、半年間は継続するようにして、可能であれば1年間は継続して効果を見るのが良いでしょう。
習慣化するコツとしては、定期的なスケジュールとしてコーチングする時間をルーティーンとして確保しておきます。コーチングは自己変化の経過観察を知ることで機能していきますので、突発的にコーチングを行うのではなく、定期のスケジュールとしてブロックしておきましょう。
その答えを最短ルートで自分で見つけられるように自然に導いていくのがコーチングなんじゃないかなと思っています。
そして、日常的にセルフコーチングができればもっと生きやすくなる。
時にはコーチと、時には自分と、自分と対話し大切にできたら、自分をコントロール出来るようになりました^ ^ https://t.co/XdOhVrcgtU— かおる|本音でコミュニケーション (@kaoru_rocca) March 25, 2021
小さな変化・成長に目を向ける
コーチングを行っていると、大きな変化を特に感じることが難しく、気持ちやモチベーションが下がることもあります。しかし、毎日の小さな変化を認めてあげて、自分の成長を実感することが大切です。
他人の進度や成長速度と比べてしまって、なかなかモチベーションが上がらない時がありますが、「昨日の自分より今日の自分は成長する」ことだけに目を向けると、小さな成長にも気づけるようになります。
しかし、小さな成長に満足をすると、それから大きく成長することはできないので、もっと成長するためにはどうしたらいいのかを考えるようにしましょう。
セルフコーチングがうまく行かない原因
これまで、セルフコーチングのポイントや、やり方について解説してきましたが、セルフコーチングは決して容易ではないので、実際にはうまくいかないことが多いです。本章では、うまくいかない原因について考えていきましょう。
ネガティブな問いかけをしている
セルフコーチングで、自分に問いをかけていると、過去の事象に対して「なぜ、あの時はうまくいかなかったのか?」「あの時どうして….」とネガティブな思考に働いてしまう人も少なくないです。
一度、ネガティブに捉えてしまうと、思考がどんどんネガティブに偏っていき、心理的にもしんどくなってしまいます。コーチングでは、「なぜ?」の問いかけは非常に重要ですが、あなたが描く未来像やゴールに対して、「何?」を問いかけましょう。
ワクワク感を重視していない
ワクワクとは、心の内面から感情が沸き上がってくる状態なので、心から前向きになれる目標ややりたいことを設定していない時に陥りやすくなります。小さな変化や成長を通じて、自分でワクワクできないとセルフコーチングはうまくいかないでしょう。
自責で考えられていない
自責とは、すべての物事に対して自分で責任を持つことですが、セルフコーチングをするうえで重要なポイントです。自分が設定した目標に対して、アクションを起こせない理由を、自分が原因ではなく、外部の原因にしてしまっている状態では、セルフコーチングをうまくいかないでしょう。
自分の行動の失敗原因やうまくいかない理由を分析・特定していくためには、自分ん内側に目を向け、自分の思考や行動から目を背けてはいけません。
「どんな状況でも、自分で現状を変え、自分の未来を作っていく」
このマインド・スタンスを常にもつことで、どんな状況下でも自分で自分の人生を導けます。
セルフコーチングに役立つおすすめ書籍
こちらの最後の章では、セルフコーチングを実践するのに役立つ書籍を紹介していきます。レビューも併せて紹介していくので、セルフコーチングをしたい方は手に取ってみてください。
セルフコーチング~あなた自身を「最高の自分」へと導くために
セルフコーチングを実践するなかで必要な考え方や、自分の心をどのように鍛えるかについて書かれた書籍になっています。コーチング初心者の方は非常に参考になる考え方が詰まっている書籍です。
NLPという心理学的アプロローチについても説明しているので、テクニカルにコーチングの基本を学べる書籍となっております。
義務よりも信念・価値観に基づく行動は大きなパワーになることは前から感じていましたが、その力の引き出し方、あるいは、その引き出し方が間違っているときの自己修正方法について、わかりやすく解説されていました。
Amazonよりレビュー引用
いかに「ポジティブシンキング」が大切なのかについて NLPを基本に、「マインドフルネス」や「認知行動療法」などを踏まえて書かれています。本当に、「この一冊を熟読し、実践していけば!」と読んでいる内に、ワクワクしてきて、自然と「より、ポジティブ」になっている自分がいました。苦しんでいる人に読んでほしいですね。
Amazonレビューより引用
『自分の人生が愛おしくてたまらなくなる100の質問ノート~自分を最強のパートナーにするセルフコーチング』
女性が心身ともに健康で美しく、豊かで幸せになる生き方を体系化した書籍になります。著書自身の経験に沿って、どのように理想の人生を得たのかについて解説しながら、理想の自分のかなえ方について書かれた書籍になります。
向き合うことの大切さ。向き合うことで自分を知ることができたり、どうすれば良いかを考える大切なワークだと感じました。どの年代になってもよきタイミングで続けたいです。
Amazonレビューより引用
現実の自分と向き合うことの重要性はなんとなく分かっていても、何か理由をつけて逃げがちな自分を戒めること出来そうです。常に読み返しながら日々、自問自答をしようと思います。心の奥底にある自分を、無気力でも本当は深いところの自分は何を求め、どうありたいか掘り出すことをやってみようと思います。理由をつけて逃げがちで自分と向き合わない人のオススメだと思います。
Amazonレビューより引用
ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング
1分以内に、A4ページに思考を書きなぐることで、思考力が鍛えられることを書いた書籍になります。書きなぐることで、クイックに深く考えることが日常的になり、セルフコーチングで自分の思考を整理する際にも、活用できるでしょう。
判断力、決断力、思考力をどうすれば高められるか悩んでる時にこの本を手にした。とりあえず、何か思い悩む事、整理したい事、前に進めたい事などに対して効果的だと思う。とりあえず書き出す。どんどん書き出す事により、頭の中が整理され、前へ進めるようになります。1日10ページ書くことを実践すれば効果は徐々に現れてくる。文章の構成などを気にせず、とにかく書くことが効果的なだということがわかりました。
Amazonレビューより引用
とてもシンプルですが、いつもモヤモヤしていた事に役立つと思いました。特に問題解決や、仕事力、特に企画力、計画力アップに繋がると思います。メモ書きのタイトル例も実例も豊富で1週間位まえから取り組み始めました。
Amazonレビューより引用
まとめ:セルフコーチングで目標達成を加速しよう
いかがでしたでしょうか。セルフコーチングを行うことで自分の理想の状況に近づけるようになり、人生を豊かにしてくれます。
難易度は高いセルフコーチングですが、仕事だけでなくプライベートの充実感も向上するのがコーチングの良さです。
日常的にセルフコーチングを活用して、最高の人生を実現していきましょう!
※ちなみにCOACHING DOJOでは、LINE@登録で”パーソナルコーチング”サービスを初回完全無料でご提供しております。
その他コーチングに関するダイジェストも随時更新しております。
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